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ブログ 「生活の達人」

以前勤めていた大学でも、介護福祉士の養成に携わっていました。その時の同僚の先生のお話しから始めさせてください。

 

同僚といっても、大大大先輩です。その方は、看護師からスタート、養護教諭、結核病院の総婦長、特別養護老人ホームの施設長を歴任されて大学に来られた方です。当然のように厳しかったですが(恥ずかしながら、よく泣きました)、本当にいろいろ教わりました。

なかでもタイトルにあげた「生活の達人」という言葉が印象に残っています。これは、介護福祉士が目指すべきものとしてよくおっしゃってました。

ご存じのように介護福祉士は利用者の生活を支援するのが仕事です。支援する以上、介護福祉士自身が生活について良く分かっていないと、あるいは良くできないと支援などできないという趣旨だったと思います。

そのため、学生のみならず、教員に対しても、生活の細やかなやり方についていつも伝授されていました。先生にお会いしてから約20年になりますが、洋服すら満足に畳めません。残念ながら、先生の言われていた生活の達人にはほど遠い有り様です。

しかしながら、違うアプローチで「生活の達人」になれないか?実は、少しつかみかけています。前置きが長くなりましたが、今回は、そのことをお伝えしたいと思います。

唐突ですが、人生で、困難を感じたり、行き詰まりを感じたことはありませんか?

困難や行き詰まりを感じている時、人は“堂々巡り”をしています。どうしてこんなことになったんだろう。それは自分がダメだったからだ。自分がダメだったからこんなことになったんだ。と。

ネガティブに物事を考える癖のある人なら、犯人、原因探しに躍起になります。でも、犯人や原因を探すことがメインになりがちで、判明してもそれを変えていこう!とはなりにくいです。

そこで、考える癖を少し変えてみましょう。癖を変えるのは難しいので、困難や行き詰まりを感じるような出来事があった時に、

「この出来事は、自分に何を学ばそうと(得させようと)しているのか?」

と、質問してみて下さい。ただそれだけです。無理やり答えを出す必要はありませんし、起こった出来事を嘆き悲しんではいけないということもありません。ただそう問うだけです。

その問いは、心のどこかに引っかかり、質問時には答えが出なくても、無意識に答えを考えるのです。そして、ふとした拍子に答えが出てきます。(特にリラックスしているとき)

その結果、困難や行き詰まりは、どうしようもないものではなくなるのです。

実際、前の職場で自分の学科を廃止することが決まったとき、自分に質問をしました。その結果、クビになるかもしれない。そうなったら、家族を路頭に迷わせることになったしまう、どうしよう。

とはならずに、「自分は今から何を学ぶのか、何が始まるのか」と考えることができ、部署の廃止というピンチにあっても、精神的に健康でいることができました。

その結果、その一年後に声がかかり、大学教授から保育園の園長に転身することになったのです。園長として子どもたちと楽しく2年間過ごした後、東大阪大学に来ました。

馬込流の「生活の達人」になる方法をお伝えしました。これからも「生活の達人」を目指すべく研究を続けていきたいと思います。