連載テーマ「生活」:植物の生活史

今回の連載のテーマは「生活」であり、わたくしで3人目です。
大学校内に様々な花が咲き、新緑が芽吹きはじめる風景を眺めていますと、生活史という言葉が頭をよぎります。生活史とは、デジタル大辞泉によれば「1 生物個体の発生から死までの全生活過程。2 個人の生涯の歴史。」です。今花を咲かせたり、新緑を芽吹かせているこれらの植物の生活史は、どのようなものなのだろうかと・・・   植物は一年草から数千年生きる樹木まで様々です。同じ言葉を話す人間同士であれば、各人の生活史は言葉を通して知ることが可能(かな?)ですが、植物とは言葉を介してのコミュニケーションはとれません。しかし、最近の研究で、植物は様々な生き物と化学物質1)や音2)などを通してコミュニケーションをとっていることが明らかになっています。
将来、人間と植物がコミュニケーションをとり、植物からどのような生活史が語られるのかなーと想像しながら、花や新緑を眺めています。
文献
1)山尾 僚・向井 裕美・塩尻 かおり、植物における情報処理と柔軟な応答、計測と制御第61巻、第1号、2022年 1 月号、47-51。
2)Lilach Hadany et al., Sounds emitted by plants under stress are airborne and informative. 2023 Cell 186(7):1328-1336.e10.