第5回弁論大会が開催されました

1月15日(土)第5回目の弁論大会が開催されました。
本学の弁論大会では様々な国籍の学生や学外の参加者が英語と日本語でスピーチを行います。今年は会場とオンラインを組み合わせたハイブリッド式で初めて開催し、中国とインドから5名がZOOMで参加しました。テーマは「今、思うこと」、本学科の学生と卒業生も英語・日本語の両方の部門でスピーチを行いました。

司会は国際交流クラブの部長でアジアこども学科4年生のスマン君です。
この日は司会で会場を盛り上げ、通訳でインドからの参加者をサポートし大活躍をしてくれました。

英語の弁論ではアジアこども学科2年生の徳本君と4年生の劉さんが出場しました。

国際交流センターの職員として普段留学生をサポートしてくれているハーさんはアオザイを着て出てくれました!

審査員の先生方からは様々な質問が行われました。

日本語の弁論はZOOMで蘇州大学の樊さんと黄さん、ニューデリー経営大学のレイさん、バニさん、ジュヒさんが参加してくれました。

そして最後には去年の卒業生のタックさんが会場でスピーチをしてくれました。
タックさんは茨城県の会社で通訳として就職しています。
この日は弁論大会のためにわざわざ大阪まできてくれたんですね!

全員の弁論が終わって審査の時間にはこども学科の学生さんたちによる音楽演奏が行われました。ピアノ演奏やバンド演奏がとてもよかったです。

演奏の後、本学科の井原先生から総評と結果が発表されました。

英語部門で優勝したのは国際交流センターのハーさん。
大学で英語を専攻していたこともあって素晴らしいスピーチでした。
日本語部門で優勝したのは蘇州大学のハンさん。
ハンさんは本学科の蘇州大学交流会の司会でも活躍してくれていました。
本学科からは卒業生のタックさんが3位を獲得しました!

同窓会みたいで楽しそうですね
この日の撮影を担当してくれたアジアこども学科2年生のブイヤンさん

最後は参加者全員で記念撮影をしました。

今回の弁論大会の評判を聞き、次回の大会に向けてすでに参加希望者が出てきています。次はどんな人が参加してどんな内容の弁論をしてくれるのか楽しみですね!

日本芸術入門 後期授業の振り返り

先週で授業が終わり学生のみなさんは後期試験とレポートで忙しい日が続いています。
留学生授業の日本芸術入門では、隔週で市内の美術館を見学しレポートを提出してきました。この授業を振り返って、見学授業の様子と留学生による展評レポートの抜粋を紹介します。

どの展覧会も面白かったですね

①最初の授業で見学したのは大阪市立美術館「聖徳太子-日出づる処の天子」展でした。
没後1400年を記念し、聖徳太子に関する多くの作品が展示されていて授業時間内で見終わることができないくらいでした。

見学の後に記念撮影をしました

展評:「七星剣」について
”私が引き付けられたのは昭和54年に作られた「七星剣」である。「太子伝来七種の宝物」と言われている。鉄造の剣は非常に滑らかに磨かれていて、何年も経ったようには全く見えなかった。剣の表面には古代中国の天体思想と関連がある模様が彫られている。とても美しく壮観な剣である。”

②中之島フェスティバルタワーにある香雪美術館は、都心の高層ビルの中に作られたお茶室が有名です。ここでは特別展で長谷川等伯の柳橋水車図屏風を見てきました。

中之島香雪美術館のお茶室の前で記念撮影

展評:「柳橋水車図屏風」について
“桃山時代の「柳橋図屏風」は遠くから見ると非常に美しい絵画である。近くから見ると、柳樹の枝や柳葉の細かいところがよく描かれていることに驚いた。室町時代に作られた「柳橋図屏風」もそうである。冬の柳樹の枝は現実の柳樹にそっくりに描かれている。まるで私はこの美しい冬景色の中にいるようだ。”

③11月には松伯美術館で日本画の上村松篁さんの花鳥画を見てきました。大学から遠いとの意見もありましたが、庭園も綺麗でよかったです。

美術館の入口の庭園では紅葉がはじまろうとしていました

展評:「閑庭迎秋」と「白梅」について
“大正10年(19歳)に描いた「閑庭迎秋」では、鶏の羽、鳴いている鶏、つついて食べる鶏が本物そっくりに描かれている。画家がまだ10代の作品であることに驚かされた。平成7年(93歳)の「白梅」も大好きな絵である。93歳でも画家の実力は衰えていない。冬の梅の木の枝の細い点が非常に精致に処理されている。白い梅、黄色の蕊、そして小鳥がのんびりと梅を見る美しい光景である。”

④あべのハルカス美術館「福富太郎の眼」展では北野恒富や鏑木清方の美人画が数多く展示されていました。学生さんたちに誰が一番美人と思うか聞いてみたところ、一番人気があったのは鏑木清方の「妖魚」でした。

“妖魚が一番綺麗な美人です”

“人の姿に魚の尾を持つ妖魚は、中国の人魚姫に似ています。髪が長くセクシーでとても美人だと思います”

また最後の部屋に展示されていた満谷国四郎の「軍人の妻」を挙げた人もいました。

“夫を戦争で亡くした妻を描いたこの作品は戦争の残酷さを伝えています。溢れそうな涙を浮かべる女性の表情に感動しました。”

⑤見学授業の最後は国立国際美術館の「1968年展 −新しいパラダイムを求めて−」でした。

日本の現代アートを勉強しました

この日はちょうど小学生の観覧日と重なっていて館内にはたくさんの子供たちがいました。どんなことをしているの?とこどもたちにきいてみたところ、「自分が興味を引かれるところや、疑問に思ったことなどをワークシートに書いています!」とのこと。みんな熱心に作品を観察していました。

こどもたちは作好奇心いっぱいで作品をみていました

私達もこどもたちに負けないよう現代アートの作品に向き合っていろいろな意見を出し合いました。

美術評論家みたいですね!

最近は先行き不透明な時代のビジネス戦略にアート思考を活用する必要性が主張されています。日本の芸術を学びながらビジネスにも活用できるようになれたらいいですね。

公開講座「さまよえるモティーフー伝説からファンタジーへ」

1月8日の公開講座では本学科の横田詩織先生が「さまよえるモティーフー伝説からファンタジーへ」と題した講座をオンラインと対面の両方で行いました。

横田先生のご専門はドイツ・オーストリア文学です。

オーストリアにも留学経験がありドイツ語が堪能です。

この日は先生のご専門のグリム童話などの民話研究の視点から、古くから人々に親しまれてきた物語や伝説の登場人物やキャラクターがどのように現代まで受け継がれ、変化してきたかについてお話して頂きました。

伝説とファンタジーとメルヒェンの違いについて詳しく解説して頂きました

その一例として紹介されたのがアマビエです。

昨年のコロナ禍で、SNSを通じて爆発的な広がりを見せた「アマビエ」伝説は、今や地域振興のマスコットに選ばれるほど親しまれています。

『肥後国海中の怪(アマビエの図)』(京都大学附属図書館所蔵)

アマビエは江戸時代に熊本県の海に現れた疫病封じの妖怪ですが、「疫病流行時にアマビエの姿を描いて人に見せよ」という本来の“お告げ”から、コロナ(COVID-19)収束を祈願して描こう、という呼びかけを契機としてCOVID-19収束祈願の象徴になりました。

厚生労働省の啓発アイコン

アマビエのように、伝説上の存在がモチーフ化して、まったく別の場所で活躍することは珍しくなく、私達になじみのある現代のキャラクターにも見出すことできます。森に住む美しい種族となったエルフ、世界的な人気を誇るRPGのキャラクターになったゴーレムなど、時代の流れとともにキャラクター自身も変容し、新しい物語とともに生き続けているんですね!おもしろい!

なぜ昨年爆発的なヒットとなった『鬼滅の刃』があれほど世界中で人気を博したのでしょう?

それは日本の伝統的な鬼のイメージが、西洋のドラキュラやゾンビ、さらにはそれを着想源とした『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するような「吸血鬼」を経て、『鬼滅の刃』の鬼へと変容を遂げてきたことに理由があるようです。

日本的な「鬼」のイメージが、異なる宗教や文化背景の人達にとっても親しみのある普遍的なキャラクターへと変化したことで世界中の人々に共感を与えているんですね。

横田先生、日本のサブカルチャー論から民話研究にまたがる興味深い講座をどうもありがとうございました。

次の機会にはご専門の『グリム童話』の研究についてもっとお聞きしたいと思います。

2022年開始

松の内も終わり、いよいよ2022年が本格的にスタートしました。お正月気分、もうすっかり抜けましたか?

大学の授業はほとんどが来週で終わります。その後には試験期間、補講期間と続きますが、だいたい2月半ばまでには春休みに入る人が多いのではないでしょうか

大学の春休みは小中高と比べてとても長いです。例年なら、この長い休みを利用して短期留学に旅立つ大学生も少なくありません。

アジアこども学科の2年生は、3月に研修が予定されています。とはいえ、昨年末からまた感染者数が増え続けていますので、再度の延期や内容変更がないとも限りません

引き続き感染対策に励みながら、大学からの連絡を見逃すことがないよう、注意してくださいね